プレミアアンチエイジング株式会社
2021.10.27
「DUO(デュオ)」や「CANADEL(カナデル)」といったスキンケアブランドを展開し、アンチエイジング事業のリーディングカンパニーとして知られるプレミアアンチエイジング。同社ではサイトでの顧客体験の向上と離脱防止を目的に、WEB接客ツール「Flipdesk」とチャットボット「Cross Talk」を導入しています。それぞれの導入効果や、他社製品にはないメリット、具体的な活用方法などについてダイレクトマーケティング本部本部長 上村敬吾 様、ダイレクトマーケティング本部 マーケティング3部 山中実佳 様にお話を伺いました。
―プレミアアンチエイジング様には2015年より「Flipdesk」を、2021年4月より「Cross Talk」をお使いいただいています。まず、Flipdeskを使おうと思ったきっかけについてお聞きします。
山中:弊社には「DUO」、「CANADEL」、「sitrana(シトラナ)」、「immuno(イミュノ)」という4つのブランドがあり、すべてのブランドサイトでFlipdeskを導入しております。Flipdesk導入時は私も上村もおりませんでしたので、当時の担当者から聞いた話になります。Flipdesk導入のきっかけは、お客さま一人ひとりに合わせた接客を公式サイトでもおこなっていきたいと考えたからだそうです。
具体的にやりたかったことは、公式サイトのカートシステムへの機能追加です。たとえば、お客さまがカート画面に入ったときにキャンペーンのバナーを表示したり、そのバナー同士でA/Bテストをおこなったりといった機能です。Flipdeskならこの機能が使えるということで導入したと聞いています。
また、顧客データを長く保持してくれるのもFlipdeskの特長です。長く使うほどデータが蓄積され、そのデータをもとにした細やかな接客ができる点は大きなメリットだと感じています。
―現在の運用体制について教えてください。
山中:プレミアアンチエイジングのダイレクトマーケティング本部全体を統括しているのが上村です。その下にマーケティング1部や2部、3部があり、Flipdeskを活用しているのは私が所属するマーケティング3部となります。マーケティング3部は主に既存のお客さまに対して公式サイトを軸とした集客や接客、育成などをおこなっています。
Flipdeskをメインで担当しているのは私、山中です。Flipdeskの担当者の方とのやりとりや、シナリオ作成を行っています。マーケティング3部の部長や上村にも相談し、アドバイスをもらっています。また、バナー制作等については、また別の社内チームに対応をお願いしています。
―運用の仕方やシナリオのこだわりについて教えてください。
山中:お客さまの反響を見ながら、条件を細かく調整することにこだわっています。というのも、弊社では日々、多くのキャンペーンを実施しているからです。キャンペーンごとに対象となるお客さまの属性が異なるので、期限や配信対象の切り分けが重要になります。
たとえば、とある商品「A」の増量サイズが発売されるとします。そのお知らせは商品「A」に興味を持っているお客さまに配信したいため、「A」の商品詳細ページに優先して表示するようシナリオを設定します。次に画像バナーとテキストバナーでA/Bテストをしてみて、テキストバナーの方が効果が出ているなら、今度はその文言を変えてA/Bテストをする……といったように細部を詰めています。
もちろん、バナーの位置なども慎重にテストを重ねます。お客さまがバナーを消した率が高ければ、それはお客さまの邪魔になっているということですから、場所やサイズを調整していきます。
―本当に徹底されていますね。過去に実施された中で効果が大きかったのはどんなシナリオでしたか。
山中:もともとの導入目的でもありましたが、やはりカートページに実施中のキャンペーンバナーを表示する施策は売上に対してのインパクトも大きかったですね。カートページまで進まれるお客さまは購入意欲が高いと予想できるので、キャンペーンの効果も出やすかったのでしょう。また、そもそもお客さまはすべてのキャンペーンをご存知というわけではありません。購入意欲が高まっているタイミングで、見逃していたキャンペーンの情報を届けられるのは大きな効果があると思います。
―今後の活用の展望についてはいかがですか。
山中:もっとセグメントを細かく区切ってシナリオを作りたいですね。お客さまの住んでいる地域や性別、年齢などで出し分けたり、メールマガジンのリンクを踏んだ人にだけ出したりすると効果がありそうです。たとえば今、広島カープとコラボしたクレジングバームを販売しているのですが、その商品なら特に広島県に絞ってバナーを出してみたりしたいですね。
―2019年5月からは運用サポートプランをご利用いただいています。ご利用いただいた理由は何だったのでしょうか。
山中:これも前任者から聞いた話になりますが、当時担当者の異動などがあり、社内のリソースが足りなくなってしまったそうです。しかし、せっかくFlipdeskを導入しているのだから、しっかり活用していきたいということで運用サポートプランを申し込んだそうです。
―運用サポートプランをご利用いただいて、よかった点はありますか。
山中:他社さんのFlipdesk運用から得られた知見を共有していただけるのは、とてもありがたいですね。たとえば私が担当になった当初、バナーがお客さまに消されてしまう率が高めでした。そこで、Flipdeskの担当者の方に「他社さんでうまくいっているところはどれくらいのバナーサイズにしているのか、どんなデザインが効果的なのか」といったアドバイスをいただき数値を改善できたのです。現在も担当者の方とは頻繁にやりとりさせていただき、Flipdesk活用のアドバイスをいただいています。
―続いてCross Talkを導入した背景についてお聞きします。
山中:チャットボットについては、実は新規集客を担当するマーケティング1部では以前から他社製品を導入しており、かなり効果が出ていました。そこで、公式サイトで既存顧客の接客にも使ってみようという流れになったのです。
上村:もともとチャットボットを活用することでCVRが上がるというデータはありました。それなら、マーケティングのあらゆる場面に展開していくのがセオリーです。公式サイトでのWEB接客はすでにFlipdeskを導入していたので、同じ企業の製品であればお客さまにもUIはフィットするだろうし、スピード感を持って導入できると考えました。
―Cross Talkをどのように運用されていますか。
山中:Cross Talkは「DUO」と「CANADEL」の2ブランドで活用しています。主な目的はお客さまの離脱防止です。DUOであれば、クレンジングバームだけでも何種類もあり、自分自身に何が合うのかわからず迷ってしまうお客さまもいらっしゃいます。そうしたお客さまがチャットで質問に答えながら診断することで、気軽に自分に合った製品を選べるようにしたかったのです。
Cross Talkの運用では、チャットの形や質問の文言にこだわっています。チャットの入力画面を開くアイコンは吹き出しの形にしているのですが、これは社内でも初めての試みです。また、文言はとにかく短くシンプルにすることを心がけ、新規集客の方で使用されているチャットボットと内容に一貫性を持たせることも意識しました。チャットボットから投げかける質問は長いと読んでもらえません。極端な話、語尾に「?」があれば問いかけとしては成立すると考えています。
▼Cross Talk活用イメージ
―Cross Talkを導入した効果についてはいかがですか。
上村:とても高い効果が出ています。感覚になりますが、CVRは1.5%から2%まで向上し、コンバージョンも2~3割増えているように思います。ほかの施策との兼ね合いなので、Cross Talkだけの効果は測定しづらいのですが、少なくとも導入前後の比較でいえば、それくらいの違いは出ているということです。
―最後に、FlipdeskやCross Talkの導入を検討している企業へメッセージをお願いします。
上村:こういったツールにありがちなのが、「よさそうだな」と思って採用しても、ほとんど使わずに終わってしまうパターンです。なぜ続かないのかというと、高機能かもしれないけれど扱うのが難しいからです。何千万円もかけて導入して、運用のために人をたくさん用意して、結局ツールを使うことが目的になってしまうのはナンセンスです。
その点、FlipdeskやCross Talkはいい意味でレベルが高すぎず、我々のような事業会社にフィットしやすい作りになっているのが魅力です。実際に弊社では山中がほぼ1人で活用して効果が出ています。「身の丈にあう」ことって大事なんです。
また、サポートの充実ぶりもFlipdeskならではですね。いくら使いやすいとはいえ、最初から山中1人に任せていたら、途中でつまずいていたと思います。
山中:お客さまによって見せたい情報は異なります。たとえば、新規のお客さまには「新規割引」のキャンペーンを告知したいですが、既存のお客さまにそのキャンペーンバナーを見せても邪魔になってしまうだけですよね。ただ、お客さまに合わせたページを毎回作成するのはコストも時間もかかりすぎます。Flipdeskなら、低コストですばやく、お客さまごとに最適化した接客が可能です。FlipdeskとCross Talkでやりたいことは、まだまだたくさんあります。今後も活用を続けて、打率を上げていきたいですね。
※取材内容は9月時点のものになり、サイトリニューアル前のものを掲載しています。
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